セレンニンニクの開発:成分と効果
主成分はセレノアミノ酸
開発の発端
筆者はガン患者とその家族の心身における苦悩を体験し、ガンは食品による予防が最善と考えるに至り、妻の死直後からこの研究を開始した。当時 セレン酸、亜セレン酸、セレノメチオニン等のセレン化合物には抗ガン作用のある事が動物実験で分っていた。
1996年アリゾナ州立大学の研究者が、セレン含有酵母をボランティア1300人に10年間摂取してもらったところ、ほとんどのガンにおいて発症率および死亡率が半分ほどに減ったと云う論文を発表した。この研究に勇気づけられ、さらに効果の強いセレンニンニクの開発を着手した。

セレンニンニクの栽培法
セレンニンニクは環境に配慮して特殊な栽培施設を用い栽培した。セレン源としてニュージーランド製のセレン肥料を用いた。(健康トピックス、NO4を参照)

セレンニンニクの成分
大部分は普通のニンニクと同じであるが、全体の4万分の一ほど(25ppm)のセレン成分が含まれている。主成分は、セレノシステインと云うアミノ酸の誘導体である。この成分については米国コロンビア大学の研究者などにより研究が行われており、高い安全性と動物での抗ガン作用が報告されている。

セレンニンニクの効果
筆者を含め研究の協力者約20名が最長で約20年セレンニンニクを連続して摂取している。摂取法は毎日セレンニンニク一粒を普通の食品同様に調理して食する。ニンニクの一粒は約8グラムであるから毎日約200マイクログラムのセレンを摂取している事になる。協力者には、白血病、転移肝がん、胃がんの患者から、前立腺ガンの予備軍(血液マーカーの高い者)や心臓病の患者および健常者が含まれる。この中には余命3カ月を担当医から宣言され、セレンニンニクを摂取後転移ガンから奇跡的に回復し、ほぼ健常人に戻った者もいる。総じて病状が回復し、明日に希望の持てる生活を過ごしている。猶 副作用らしきものは報告されてない。

セレンニンニク作用の機序
セレンニンニクの主成分であるセレノシステイン誘導体(SMC)には、体内時計と関連したBMAL1と呼ばれる遺伝子を活性化する作用が報告されており、この遺伝子がガン免疫を強化していると推察している。
(2013.09.14)    写真はセレンニンニクとビン詰め製品


バイオチャーは地球環境の救世主か?
農産物の収量増加と炭酸ガス削減
津波による原子力発電所の事故以来、核物質の危険性に注目が集まり、地球の温暖化問題には人々の関心が薄れている。しかし炭酸ガスの増加による地球環境の変化は、単に平均気温の上昇だけでなく気象変動の増大、極端な洪水や干ばつ、台風の巨大化などをもたらす。これは食糧生産システムを揺るがし,次代の子孫の生存に大きな影響を与える可能性があり、或る意味では人類にとって原子力問題以上に深刻な課題である。
この空気中の炭酸ガスの増加による地球環境の悪化に歯止めをかける有力な手段として、今バイオチャーに注目されている。
バイオチャーとは、植物由来の原料を酸素不足の条件下で加熱して作られた炭の事を云う。これが今日注目されている理由は、バイオチャーを大量に耕地に投与すると収穫物の収量が上がると共に、大気中の二酸化炭素の増加をも防ぐ事が出来るからである。バイオチャーの投与による収穫物の増加は平均15%程度とされるが、条件によっては8倍もの増収が可能になったとの報告もある。
植物は、空気中の炭酸ガスを吸収してセルロースやデンプンとして固定するが、収穫残渣物を堆肥として土壌と混合すると90%近くが短期間のうちに炭酸ガスとなり大気中に放出されてしまう。
一方、バイオチャーとして地中に埋めると分解速度が遅くなり、長期に炭素として保存される。
原料としては、コメの籾殻、トウモロコシの茎、あるいは家畜の糞など多様であり、製造方法も炭焼き技術の応用が可能だから、どの農家でもバイオチャーを作る事が出来る。
全世界の農家でバイオチャー利用が進めば、これは地球環境の改善の有力な手段になるだろう。
19世紀欧米の探検家を驚かせたアマゾン流域プレタポルテ(黒い土地の意)の巨大なトウモロコシや果物が、日本でも見られる日が来るかもしれない。(2013.3.14 写真は筆者が作ったバイオチャー


砂糖は有害物!
成人病の真犯人
昨年、国連は心臓病、ガン、糖尿病等の非感染症が、死因としてはエイズやマラリアなどの感染症を抜いた事を報告した。
これら肥満と関連した病気の犯人探しの対象は、今や脂肪から砂糖へと変わりつつある。砂糖ははかっては、果汁や蜂蜜として自然からの恵みであった。しかし今日はコーンシロップやサトウキビから大量に生産され、消費されている。
砂糖(蔗糖)は、血中でブドウ糖と果糖に変わるが、ブドウ糖が全身の細胞のエネルギー源として使われるのに対して、果糖は血液から肝臓に取り込まれ脂肪として蓄積され成人病の誘因となるのである。
タバコやアルコールはすでに健康維持の観点から販売に法的に規制が加えられている。根拠は社会的に広く使われおりその影響の大きい事、過剰な摂取は有害な事、濫用に至る習慣性がある事などが挙げられている。この基準は砂糖に完全に当てはまる。過剰な砂糖の摂取を避けるため,有害物として課税強化などが検討されている。
また食品添加物の安全性に関するGRASリストから特に高血圧や糖尿病と関連の強い果糖を除く案も提案されている。ニューヨークでは、砂糖を含んだ発泡飲料のスーパーサイズの販売を制限する動きも出ている。
口に甘く食欲をそそる砂糖は、ケーキ、飲料などの陰の主役であるが、また成人病への誘惑者でもある。写真はスーパーサイズの甘味飲料と砂糖(2013.1.12)


「カロリー制限で長寿」に疑問符
米国国立老化研究所の研究結果
食事における30%程度のカロリー制限は、酵母、ハエ、マウスの実験から最も確実に寿命を延ばす手法とされ、これが人間を含む霊長類についても適応出来るかに関心が集まっていた。しかし人間でこれを確かめる事は、実験期間などの理由で難しい。米国国立老化研究所(NIA)の研究者は、1987年からアカゲザルを用い、30%のカロリー制限をした群と、通常の食餌量を摂取する群(対照群)に分け比較実験を行ってきた。
この結果カロリー制限群と対照群の間に寿命の差がないことが判明した。動物の死亡原因でも、悪性腫瘍、心疾患、などについても両群に差異はなかった。また、中性脂肪、コレステロールはカロリー制限群が低めであったが、免疫力に関しては通常食群が高かった。
同様な実験はウイスコンシン国立霊長類センター(WNPRC)でも行われており、その中間結果では、カロリー制限のサルのほうが長寿であり、糖尿病などの発生も低いと報告されていた。この差として以下の原因が指摘されている。1.WNPRCでは、対照群の食餌には糖尿病の原因となる30%近いショ糖が含まれていた。一方NIA群では4%程度であった。 2.NIAの食餌にはポリフェノールや不飽和脂肪酸などの微量栄養成分が両群とも添加されていた。しかし、WNPRCでは微量栄養成分はカロリー制限群の餌にしか含まれていなかった。3.WNPRCで餌は対照群では食べ放題の仕組みになっており、サルはメタボ症候群になりやすい条件にあった。
結論として、長寿をもたらすのはカロリー制限でなく、食事の質や遺伝的素質が重要であろうと述べている。(Nature 489.318.2012)写真は野毛山動物園のチンパンジーと餌の有色野菜